テスト範囲が続々と発表されてきました。
早い学校では、1週間が期末テスの学校もあり、塾内では期末テストに向けて各自が自分のペースで学習しています。
先日、とある生徒から『自分のペースで学習したいです』と言われ、びっくりしました。
私自身、各生徒に合ったペースでさせていたつもりだったので、そのような言葉がまさか出てくるとは驚きでした。
決して結果が出ていなかったわけでもなく、入塾した頃から比べると、140番以上も上がった生徒の言葉だったため、思わず固まってしまいました。
それから思うのは、自分のペースって何だろうということです。
個別指導塾であれば、決まり文句として謳う言葉だと思いますが、何なのでしょうか?
よくあるのは、
●「自分は、人より忘れやすいから、習ったら分かっているうちに先々進めていきたい」
●「自分は、人よりも定着することに時間がかかるから、復習する時間をとりたい」
●「今日習ったことを忘れないようにするために、宿題は同じレベルの問題をやっていきたい」
●「自分が行うことだから、宿題は自分で決めたい」
●「テスト前に余裕をもって課題を終わらせたいから、早めに授業を進めていきたい」
今いくつか例を挙げましたが、どれも自分のやりたいペースで進めたいという願望なのかなと思います。
一斉授業では、それが出来ないため、個別授業が好まれるということは理解できます。
しかし、自分のペースで勉強をしたら、テストの点数が必ずしもよくなるのでしょうか?
私は、疑問を感じます。
数年前ですが、とにかく自分のやりたい教科やり方で学習させた時期がありました。
すると、大半の生徒たちは、好きな教科から中心に行っていました。
分かるから解く、解けるから楽しいということで、勉強はしているのですが、苦手な教科には、なかなか手を付けませんでした。
苦手な教科を始めたと思えば、教科書を見ながらワークを埋めて、調べたところに印を付けることもなく解き、その後丸付けをし、正解していれば、あたかも自力で解いたかのように、赤丸を付けて分かった気になっている人が多くいました。
また、テスト日程を把握せずに勉強している生徒もいました。
範囲の所を1つずつ丁寧に理解はしていたのですが、そのペースでは、1通り範囲を行うことがギリギリで、最後に学習した内容は覚えていても、最初の頃に対策した内容は、繰り返し行わなかったため、忘れて解けませんでした。
自分のペースで行うことは決して悪いことではなく、むしろ良いことだと思いますが、終わりを考えずただやるだけでは、意味がありません。
計画を立てて、苦手なものにもしっかり向き合い、終わりを考えて継続しなければ、結果につながることもなく、それであれば強制して行う方が良い場合もあるでしょう。
だからこそ、バランスが大切で、生徒のペースに合わせながらも、今の状況と終わりを判断し、修正させていくことが、我々塾人の使命だと考えます。