「恥の多い生涯を送ってきました。」とは、太宰治の『人間失格』に出てくる有名な一文ですが、私もそれに似たような人生を送っているので、みっともない出来事には事欠きません。
さて、この「みっともない」という言葉の意味は、「体裁が悪い・見苦しい」といったものになりますが、「みっとも」とは何だろうと気になったので、この言葉の語源を調べてみました。
この言葉は、そもそも中世に使われた「見たくもなし」という古語が出発点となっています。
もともとの意味は文字通り「見たくない」だったようです。
それが時代を経て、
「見たくもなし」
→「見たうもなし」
→「見とうもない」
→「見ともない」
と変化し、江戸時代の後期に現在の
「みっともない」となったそうです。
どうやら「みっとも」という単語は存在しなかったようですね。
ちなみにイラストの人物は、冒頭に紹介した太宰治です。