あれは我が家の教育方針だったのか? それとも単に面倒臭かっただけなのか? そのどちらなのかは未だに不明であるが、私はわからない言葉や事柄について親に聞くと、「自分で調べなさい」とよく言われたので、小学生のころから辞書などで自分で調べていた記憶がある。
その結果、「自分で調べ、自分で考える」という習慣が身についたので、結果としては良かったのだろうと思っている。
さて今や、スマートフォンという便利な道具が普及し、これさえあれば、簡単な疑問であれば、すぐに解決できるような時代になった。ひと昔前とくらべて、知識を手に入れられるスピードが圧倒的に速くなっている。ある意味、情報があふれる時代となった。
このような時代に生きる私たちにとって必要とされるのは、さまざまな情報の中から正しいものを選び取るスキルである。そして、そのようなスキルを身につけるためには、まず自分で調べものをしなければならない。
授業の中で、英語の苦手な生徒が、英単語の意味を電子辞書で調べた結果、真っ先に出てきたものを答えるが、文脈に合っていないため、不正解といったことがよく起きる。
真っ先に出てきた情報が正しいとは限らない。出てきた情報の中から正しいものを選び取らなければならない。その訓練を今のうちにしておいてほしいと思う今日この頃である。