こんにちは。教室長の大野です。いよいよオリンピックが近づいてきましたね。
突然ですが、
私は100m走でウサイン・ボルト選手に勝てます。
もちろん私は100mを9秒台で走れません。しかし、タイムはともかくとして、ボルト選手より早くゴールすればいいのですよね。それならば勝てます。
まあ、タイトルを見て気づいた人もいるでしょう。
ボルト選手よりも6秒早くスタートすればよいのです。私の50m走のベストタイムは6.7秒ですが、今はもっと遅いはずなので、これくらい早くスタートすれば大丈夫でしょう。
いや、100mを全力で走ることなど、もう20年は経験していないので、途中で足がつるかもしれませんね。ならば70%くらいの力で走ってもボルト選手に抜かれないように、10秒早くスタートしたほうがいいかもしれません。
「な~んだ、フライングじゃん。反則じゃないか。」
そのとおりです。フライングです。陸上競技ではもちろん反則です。そんな勝利に意味はありませんね。
しかし、
勉強の世界では、「フライング」は反則ではありません。勉強の世界では、「フライング」は力の劣るものが力の優れた者に勝つための、とても有効な方法です。
受験において、「不合格」の原因は、「能力が足りない」よりも「時間が足りない」ことの方が圧倒的に多いのです。受験生なら誰でも入試直前になれば勉強をします。しかし、直前だけの勉強で間に合う人もいれば、間に合わない人もいるのです。もし不合格になった人が、あと1ヶ月早く本気で勉強を始めていたら、あと3ヶ月早く本気で勉強を始めていたら、あと半年早く本気で勉強を始めていたら・・・と考えると、結果は変わっている可能性がとても高いのです。
世の中には、たしかに特殊な能力が必要な試験、資格、職業があります。しかし、ほとんどの試験、資格、職業は、特殊な能力よりも、「どれだけ練習したか」の方が重要なのです。
昨日、中学3年生の男子生徒たち数人がこんなことをしていました。学校の夏休みの宿題を早く終わらせるために、朝の9:00から夜の9:30まで自習質にこもっていたのです。
そして自分たちで「50分勉強+5分休憩」を1セットとして、昼食休憩と夕食休憩以外はそのリズムを守って黙々と取り組んでいました。
「フライング」と「メリハリ」
夜、帰るときにはもう、褒めまくりました。
さあ、本気の受験生たち、受験は「ピストルの鳴らない長距離走」ですよ。
一刻も早く、自分の心の中でスタートのピストルを鳴らしてくださいね。