こんにちは。教室長の大野です。
三者面談シリーズで真面目な話ばかりしたので、今回は少しリラックスしながら国語の話でもしましょう。
実話です。
オーストラリアでの出来事です。
静かな住宅街に突然かん高い悲鳴が響きました。そしてその後男性が「殺してやる!死ね!死ね!」と叫んでいる声がし、物が投げられて壊れる音までし始めました。
近所の人々はすぐに警察に通報。警察官が駆けつけ、ベルを鳴らすと、一人の男が出てきました。
さて、何が起きた可能性があるでしょうか?
続きです。
警察官:「君の妻はどこだ?」
男 :「ぼくは独身です」
警察官:「じゃあ、ガールフレンドはどこだ?」
男 :「えっと・・・。ガールフレンドはいません」
警察官:「近所の人が女性の悲鳴を聞いているんだ!」
男 :「ぼくは一人暮らしです」
しびれを切らした警察官は、さらに問い詰めます。
警察官:「近所の人が、お前が『殺してやる!』と叫んで、さらに物が壊れる音も聞いているんだ!女性はどこだ!」
とさらに問い詰めると、男は恥ずかしそうに、こう言いました。
男 :「クモがいたんです」
警察官:「クモ?」
男 :「とても大きなクモがいたんです」
警察官:「女性の悲鳴は?」
男 :「それ、たぶん僕です・・・。クモが死ぬほど嫌いなんです」
実際に事件ではなく、警察官は帰ったそうです。(映画やドラマなどでは絶対に「事件」でしょうね)
「キャー」+「殺してやる!死ね!死ね!」+「物がぶつかって壊れる音」でどんな場面の可能性がありますか?ふつうは「殺人事件」?と思ってしまいますね。しかし、ここで大切なのが「状況」です。
「男は一人暮らしでクモが大の苦手」「男には妻も彼女もいない」「その時に男は1人でいて、周りには誰もいない」という「状況」が事前に説明されていたらどうでしょう?
同じセリフ、同じ行動であっても、「状況」が違えばまったく違った意味になります。小説の読解では、「セリフ」や「動作・行動」も大切ですが、「状況」を把握することも大切なのです。
ここでもうひとつ問題です。以下の男女のセリフから、考えられる「状況」は?
※ちなみにアニメでも劇でもなく、現実の日常生活でありえる話です。
男:「ぼくはタコ」
女:「わたしはカッパ」
答えは明日のブログで。