こんにちは。教室長の大野です。
「インド式数学」。かなり前に話題になったのを覚えている人もいるのではないでしょうか。
「インド人の数学力はすごい!それは九九で99×99までやるからだ」と騒がれたりもしたのですが、それは「数学力」というより、「計算力」ですね。まあ、計算力があるに越したことはありませんが・・・。問題は、その計算力をどう応用するかです。
そこで話題になった方法をひとつ紹介します。
A 36×34=1224
B 63×67=4221
などの計算がすぐにできる方法は、特に話題になりましたね。
手順は、
①10の位同士を、片方に1を足して「かける」。⇒上2桁が確定
Aの場合:3×4=12
Bの場合:6×7=42
②1の位同士を「かける」⇒下2桁が確定
Aの場合:6×4=24
Bの場合:3×7=21
③答えを単純に「つなぐ」
Aの場合:1224
Bの場合:4221
しかし、すでに特徴に気づいた人もいるでしょう。これはある条件が整っていないとできません。そのある条件とは・・・
①10の位が同じ数
②1の位同士を足すと10になる
です。(これは証明できます。中3はチャレンジしてみてもおもしろいですよ)
すると、
「な~んだ。ものすごく特殊な場合にしか使えないじゃん!」
と思いますね。
しかし!そこで応用力が試されるのです。
たとえば、
54×58=
の場合、1の位を足しても10になりません。だからさっきの方法は使えないと思いますよね。
実は応用できます。
54×58という式は、「54が58個ある」と考えられます。
ということは、
「54が56個ある」なら、
54×56=3024
が瞬間で計算できます。そしてあとで
「54を2個」足します。
3024+108=3132とできます。
また、43×67=
を考えると、
43×47=2021で、
あとで43×20=860を足します。
すると、
2021+860=2881
ですね。
「そんなのふつうにやった方が楽じゃん!」と思う人もいるでしょう。そのとおりかもしれませんね。でも、いろんなやり方を試してみるのは頭の体操になりますよ。
昔から頭のいい人の特徴として、「一を聞いて十を知る」と言いますが、1つの知識や技術を身につけて、1つのことができるのは当たり前。1つの知識や技術を身につけて10のことができると、どんどん世界が広がりますね。