昨日は県立高校入試の合格発表でした。
毎年この日を迎えて思うのですが、納得できる日は私の20年ほどのキャリアの中で1度もありません。
当初からの第一志望に合格した生徒もいます。
志望校を変更した生徒もいます。
自分の意志を貫いて逆転合格した生徒もいます。
そして自分の意志を貫いて不合格になった生徒もいます。
いろんな生徒たちがいますが、全員に「おつかれさま」と言いたいです。
結果はいろいろですが、みなさんは勇敢にも挑戦したのです。
絶対に不合格にならない方法はあります。それは「挑戦しないこと」です。挑戦しなければ、「成功」もないかわりに「失敗」もありません。
今回の経験が生徒たちにとって「プラス(正)の体験」であっても「マイナス(負)の体験」であっても、とにかくそれを前に進むための「エネルギー」にしてもらいたいと心から願っています。
これからの人生でも、「楽しいこと」「うれしいこと」もあれば、「悔しいこと」「悲しいこと」もあります。
「楽しいこと」「うれしいこと」があった時には、その「追い風」を受けてどんどん前に進んでください。
「悔しいこと」「悲しいこと」があった時には、少し休んでもう一度挑戦してください。
私がこの仕事を始めたばかりのとき、こんな生徒がいました。
とてもがんばりやの女の子でした。第一志望は県内トップの進学校。成績は、行けるかどうかギリギリでした。願書提出の時期、その生徒から、「志望校を2つ下げる」と言われました。学校で「絶対合格できるから」を言われたと言っていました。私が、「本当に納得しているのか?」と聞くと、「入って一番を目指します」と答えました。
しかし、それから明らかに勉強のペースが落ちたのがわかりました。しかし学力的には問題がなく、内申もよい生徒だったので、私もそれほど気にしませんでした。
合格発表の日、報告に来てくれたのですが、結果は不合格。私もかなり後悔しました。ペースが落ちていたことがわかっていたのに、適切な声かけをしなかったのです。その生徒は私立高校に進学しました。
そして3年後。その生徒が教室にやってきました。「第一志望の大学に合格しました」といううれしい報告を持って。私は大喜びしました。その時の生徒の言葉を忘れることはできません。
「高校受験の時に、自分以上に落ち込んだ先生を見て、次は合格して喜んでもらいたかったと思っていたんです」
先生として失格です。生徒に気を遣わせてしまったのですから。しかし、私が落ち込んだ姿が、結果としては彼女のエネルギーになってくれたのであれば、よかったのかもしれません。
ここからが我々の大切な仕事です。生徒たちに「次に向かうエネルギー」を与えられるよう、入試前以上にがんばらねば。